点描と画家〜点とノスタルジーな感覚

先日、開催したセザンヌのもしゃ会の絵を描いています。
(クレヨン)
実は壁の部分のみ点描にしてみようと思っていたのですが、点ではなく線ぽくなってしまったのでそのまま塗っていきました。
なぜ点描にしてみようかと思ったのかというと

カンディンスキーの点についての考察を読んでいたら、点描画が気になってきました。

点の連続が線になる。
線は動く点の痕跡。
〜カンディンスキー 〜

つまり、点とは全ての大元。

点描画とは…
点あるいはそれに近い短い筆触で描き、形を色の点によって構成する。

絵の具をパレットで混ぜず、原色をキャンパスに置き鑑賞者が絵画を見た時にその点が視覚混合を起こすことを狙った技法です。
絵を見た時に隣り合った色同士が混ざり合う。
原色が目に飛び込んでくるのでインパクトも強くなりますね。
点描画は柔らかく、そこに佇んでいるような印象を持つのはその、色の置き方が関係しているようです。ふわっとした捉えどころのないような、でも胸がわくわくする。

点描画といえば、ジョルジュ・スーラが有名ですね。

「グランド・ジャット島」

私の感じ方としては点描画はポラロイドカメラで撮った写真を思い出します。点ならではのキメが荒い感じとザラつき感というのかな。
ノスタルジックな印象がします。
なんでしょうね、点にノスタルジーを感じるって不思議です。
ちなみにこの世界にあるものは全てとても小さな粒が集まってできているようです。(原子)

ところで、実はゴッホやピカソも点描画を描いているんですよね。
ゴッホ「レストランの室内」
この絵は全体ではなく部分的に点描を使っています。

ピカソ「幸福な家族」
ピカソが点描画を描いていたとは知りませんでした。色の選び方がピカソっぽい、置き方とか。

印象派の巨匠であるモネの描き方も点ではないですが、パレットで混ぜずにキャンバスに短いタッチで色を置いていく『筆触分割(色彩分割)』という技法です。

モネの積みわら

モネが筆触分割という技法を使ったのも、同じモチーフでも光の当たり方や気象条件によって全く違う景色に見えることを発見したからでした。
時間は刻一刻と過ぎていく。
絵の具を混ぜている場合ではないんです。
あとは、絵の具が進化したことも関係していますね。
光を表現したいというモネの熱い思いが、モネの絵を生み出した。

表現したいことがあるから、その技法を使う。
画家達のことを調べていくと、
「何を表現したいのか」が先である。
技術は試行錯誤しながら身についていくのだなと思いました。

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